現代というめまぐるしい、それだけに不確実な、見通しのきかない時代にあって、多くの人びとは、どのように生きたらよいのか、あらためて考えを迫られている。そんなとき、なにがしかの示唆を与えてくれるのは、やはり、歴史を省みることであろう。その歴史とは、いうまでもなく、人間ひとりひとりが、それこそ、身をもって綴ってきたものである。私たちは歴史に学ぶように、個人の生涯に学ぶべきではなかろうか。