本書は、個人と社会・集団との結びつきを、自己が自己を決定する(自己創出)システムとみなす考え方にもとづき考察を試みている。われわれ個々人の行動は、社会的に要請されるふるまい方にもとづいておこなわれる。そのとき、社会的ふるまい方と自己参照との関係をどうするのかという問題が生じ、このことが自己創出と関わってくる。