災いや病の原因を探り、まじないや呪術で不祥を避ける......生きる上での普遍的な課題に対する知恵であり、人々の生活に密接に関わる文化であった陰陽道。朝廷や幕府など各時代の権力者と密接に結び付きつつも、地方や民衆間にも広く伝播し、日本文化史に大きな影響を与えた陰陽道はどのように発展していったのか。呪術として、学術として、また東アジアにおける位置付けなど、多角的な視点により、深化、活性化していく陰陽道史研究の動向を追う。