音楽の持つ,心理的,社会的,生理的な効果を応用して医療に役立てる「音楽療法」.非薬物療法の一つとして,認知症,失語症,パーキンソン病などの疾患への活用が期待されているが,エビデンスは十分に確立されているわけではない.有効性の検証が進んでいるもの,まだ研究途上にあるものが入り混じった状態だ.本書では,広く受け入れられる音楽療法のあり方を,自身の体験も交えながら考える.最新の知見を盛り込み,内容を大幅にアップデートして文庫化.