• Author㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル NO.2122 2022.11.24

1.12歳男子主張の5級高次脳機能障害は本件事故によって脳の器質的損傷を負ったと認めることはできず脳の器質的損傷を疑わせるような事故後の重篤な意識障害も認められない等から高次脳機能障害の発症を否認した 2.示談後の37歳男子主張の難聴及び耳鳴は本件事故により生じた外傷性のものとは認められないと否認し自賠責同様併合14級頸部痛等を認め、定期金賠償による後遺障害逸失利益の支払いを否認した 3.14級9号頸部痛等を残す従業員4名の50歳男子X会社代表取締役の後遺障害逸失利益を役員報酬の5割を基礎収入に67歳まで5%の労働能力喪失で認め、経済的に同一であったとは認められないとX会社の営業損害を否認した 4.追突され右膝をダッシュボードにぶつけた40歳男子の右膝内側半月板損傷を認め12級13号主張の右膝痛等を14級9号認定し5年間5%の労働能力喪失で逸失利益を認めた 5.自転車搭乗中に乗用車に接触され転倒し外傷性リンパ管損傷から併合5級後遺障害を残したと主張する26歳女子には本件事故直後にリンパ管が損傷したことを示す証拠は何ら見当たらないとして本件事故によるリンパ管損傷を否認した 6.X車が加速、減速を繰り返した挙句、X車を急加速させその直後に急ブレーキをかけてのY車の追突はXの故意又は重大な過失によると認定し、追突回避のために必要な車間距離を保持していなかったY車の責任を否認した 7.黄信号交差点で対向右折被告貨物車に衝突された直進原告自動二輪車は目撃証言等から黄信号で安全に停止することができずに進入したとは認められないと6割の過失を認定した 8.夜間、国道の第2車線をイヤフォンをして走行中に被告貨物車に追突された原告自転車は特段やむを得ない事情なく第2車線上を通行し周囲の車両等の道路状況に十分注意しなかった等から2割の過失を認定した 9.被告バスに乗車し着席する前に発進され手指等を座席に打ち付けて傷害を負ったとする男子原告の供述等はドライブレコーダーの映像等からも採用し難いと原告の受傷を否認し請求を棄却した 10.Yと示談契約締結も後遺障害が残存し損害賠償請求権は清算条項の対象外であると主張する女子Xに後遺障害の残存は認められず、Xは本件清算条項によりYに対し一切請求ができないと本件示談の有効性を認めた 11.レンタカー費用保険金請求でC会社から日額2万円で15日間借り受けた初度登録から約18年経過の外国製レンタカーは乙損保の「承認レンタカー」に該当しないとし中古車市場の流通価格等から日額8,000円を認定した 12.台風の強風で体育館の屋根材が剥がれ落ちX車両に接触し損傷は極めて勢力が強い本件台風が各地に甚大な損害をもたらしたものであって本件体育館が通常有すべき安全性を欠いていたとは認められないと本件体育館の瑕疵を否認した 13.X建物が大型台風によって折損したマツの折損木に衝突されての損傷は本件台風に伴う強風によって生じた可能性を否定できない等から本件マツの管理に瑕疵があったとは認められないとY市の管理瑕疵を否認した

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