心理学者ユングやポストモダンの思想家らのグノーシス主義理解は己れの空想や独善を仮託した蜃気楼にすぎない。虚妄の解釈を排し、テキストを細心に読み解くとき、〈父なる神〉の新の姿を求めて進化したグノーシス主義の発展と崩壊の軌跡が明らかになる。