• Author㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル NO.2123 2022.12.8

1.62歳女子主張の脳脊髄液減少症の発症は各診断基準が重視する、症状、髄液圧及び画像所見のいずれの要素をみても脳脊髄液減少症と診断するに足りないと発症を否認した 2.既存障害14級9号の加重障害として9級10号認定のCRPSⅠ型を残す女子XのCRPS様の症状は本件事故前から発症していたもので本件事故により生じたものではないと否認した 3.右肩腱板断裂等を負う58歳女子主張の9級10号CRPSは自賠責保険(労災保険)のRSD認定基準及び国際疼痛学会のCRPS診断基準にも該当しないと否認した 4.右足外側部痛、左足脛前面感覚障害等の併合12級後遺障害を残す56歳男子税理士の後遺障害逸失利益を一般的な職業より長期間就労する傾向がある等から平均余命の2分の1の12年間14%の労働能力喪失で認定した 5.自賠責併合9級左肘・右足関節機能障害を残す症状固定後増収している42歳男子システムエンジニアの後遺障害逸失利益を業務上の支障は軽微である等から25年間14%の労働能力喪失で認定した 6.頸椎捻挫及び左肘打撲傷等から自賠責併合14級後遺障害を残す男子公務員の逸失利益を事故後に減収はなく、仕事や将来の昇格等に影響が出ているとは認められないと否認した 7.対向被告大型貨物車から脱落したサイドバンパーに気づき急ブレーキをかけた衝撃で頸椎捻挫を負ったとする原告に頸部の屈曲、伸展の動作が皆無であったとは解されないとし原告の受傷を認めた 8.急ブレーキをかけて右足関節部分的三角靱帯断裂を負ったとする32歳男子の主張はブレーキペダルを踏み込んだ際に三角靱帯が断裂するほど大きく右足首を捻ったとは認められないと否認し後遺障害の残存も否認した 9.会社執行社員の男子原告の休業損害を給与支給明細書に記載の給与額が支払われていたとは認められないと否認し、同居の要介護2の実母は姉と弟が介護していたと家事従事者としての休業損害も否認した 10.歩行中に対向Y自転車に接触された男子主張の併合11級左肩関節機能障害等は目立った外傷なく、事故約2ヶ月後に痛みが再発等の症状経過は不自然等から本件事故による受傷を左肘付近の打撲とし治療期間を10日間と認定した 11.夜間、交差点に赤信号で進入し通過中に青信号に変わった被告貨物車に衝突された赤信号横断歩道を自転車で進行中の72歳女子Aの過失を4割と認定した 12.信号交差点で減速後停止した原告乗用車への後続被告貨物車の接触は被告車が原告車の動静に気づかず制動が遅れたことで発生したと原告車の過失を否認した 13.原告貨物車と被告乗用車との衝突は逆走しながら何ら回避措置をとらなかった被告の故意を認め、被告車付保の乙損保の保険金給付債務を否認し、破産免責決定を受ける被告に悪意は認められないと免責を認定した 14.Bに担保として預けていた駐車場に駐車中のXレクサスの盗難は本件駐車場に駐車されていたことの立証はなく、XやB以外の者が持ち去ったことについての盗難の外形的事実の立証はないと車両保険金請求を棄却した

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