釣り人は、常に、希望と絶望というふたつの淵の間に立って竿を振る。振り続ける。何故なら、神は、竿を振らない者には味方しようがないのだから―見果てぬ「入れ喰い」の夢を求めて、アンデスに川スズキを、モンゴルに巨大イトウを、ニュージーランドにマスを、中国大陸に鮎を追う、釣り浸りの記。