いまだ海外渡航が稀少だった昭和三〇年代。水産庁の調査船に船医として乗り込んだマンボウ先生は、アジアから欧州をめぐる船旅を無類のユーモアと自由闊達な筆で綴り、戦後日本人の心をつかんだ。作家・北杜夫の出世作であり代表作でもある紀行エッセイの金字塔に、写真、エッセイ「傲慢と韜晦」などを収録。