華やかな宮廷生活の表裏を、これほど鮮やかに美しく描き上げたロマンは他に類をみない。本書は源氏研究に一期を画した硯学の校訂になる。殊に、複雑な文脈を系統づける傍注は大きな特色といえよう。本巻には「桐壼」から「花散里」にいたる11篇を収録。