この書物の面白さは何といっても作者をめぐる豊富なエピソードにあるが、その典拠は『源氏物語』をはじめとして『伊勢物語』『枕草子』『土佐日記』『蜻蛉日記』『明月記』等々、驚くほど広い範囲にわたっている。ページを繰るにつれて、江戸人の教養の底力がひしひしと伝わって来るかのようである。巻末に便利な各種索引を付した。