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  • 著者伊藤雄馬
  • 出版社集英社インターナショナル
  • ISBN9784797674255
  • 発行2023年2月

ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと

就活から逃げ出した言語学徒の青年は、美しい言語を話す少数民族・ムラブリと出会った。文字のないムラブリ語を研究し、自由を愛するムラブリと暮らすうち、日本で培った常識は剥がれ、身体感覚までもが変わっていく……。
言葉とはなにか? そして幸福、自由とはなにか? ムラブリ語研究をとおしてたどり着いた答えとは……?
人間と言葉の新たな可能性を拓く、斬新極まる言語学ノンフィクション。
★高野秀行(ノンフィクション作家、『語学の天才まで1億光年』著者)
「不思議な本。ただ面白いだけでなく、別の世界にトリップしたような感覚に襲われる。」
★川添愛(作家・言語学者、『言語学バーリ・トゥード』著者)
「生きる力を削がれた現代人のために、言語学者に何ができるのか。その答えがここにある。」
【ムラブリとは】
タイやラオスの山岳地帯に暮らす少数民族。人口は500名前後と推測される。
「ムラ」は「人」、「ブリ」は「森」を指すため、「森の人」を意味する。タイ国内では「黄色い葉の精霊」とも呼ばれる。
かつては森のなかで狩猟採集をしながら遊動生活をしていたが、定住化が進んでいる。
ムラブリ語には文字がなく、話者数の減少にともない、消滅の危機にある「危機言語」に指定されている。言語学的に希少な特徴が複数確認されている。
【ムラブリ(語)の不思議】
・あいさつがない?
・「上」は悪く、「下」は良い?
・年齢も暦もない?
・過去と未来が一緒?
・意図的に方言をつくった?
・数を数えるのは宴会芸? etc……
【内容の一部抜粋】
・初調査は突然の「帰れ」で終了
・お金がなさすぎて、ムラブリにおごってもらう
・5年かけて、ムラブリの「家族」になる
・人食い伝説によって分断されたムラブリのグループに100年越しに再会してもらい、その様子を映画にする
・ムラブリ語を話せるようになったことで、身体もムラブリ化していく
・日本でムラブリのように暮らしてみる etc……
【著者略歴】
伊藤雄馬(いとう・ゆうま)
言語学者、横浜市立大学客員研究員。
1986年、島根県生まれ。2010年、富山大学人文学部卒業。2016年、京都大学大学院文学研究科研究指導認定退学。日本学術振興会特別研究員(PD)、富山国際大学現代社会学部講師、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員などを経て、2020年より独立研究に入る。
学部生時代からタイ・ラオスを中心に言語文化を調査研究している。ムラブリ語が母語の次に得意。
2022年公開のドキュメンタリー映画『森のムラブリ』(監督:金子遊)に出演し、現地コーディネーター、字幕翻訳を担当。本作が初の著書。

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