“うわさ”が5人を殺したのか?
この村では誰もが、誰かの秘密を知っている。
2013年7月、わずか12人が暮らす山口県の限界集落で、一晩のうちに5人が殺害され、2軒の家が燃やされる事件が発生した。凶行に及んだ男が家のガラス窓に残した貼り紙に書かれてあった「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」。メディアはこぞって「犯行予告」と騒いだが、真相は違った……。
気鋭のノンフィクションライターが、拡散された「うわさ話」を一歩ずつ、ひとつずつ地道に足でつぶし、閉ざされた村を行く。発表のあてもないまま書いた原稿を「note」に投稿したところ思わぬ反響を呼び、書籍化。事件ノンフィクションとしては異色のベストセラーとなり、藤原ヒロシ、武田砂鉄、能町みね子ら各界の著名人からも絶賛の声が上がった。
事件から10年という節目に、新章となる「村のその後」を書き下ろし加筆して文庫化する。
【編集担当からのおすすめ情報】
若手ノンフィクションライターの発表の場がなくなりつつあるなか、腐らず丹念な取材を続け、自ら未発表原稿を「note」に投稿し、書籍化の道を開いた高橋さんの存在は、ノンフィクション界の一筋の希望となりました。新たに現地取材を行い、新章を加筆しバージョンアップされたこの文庫版が、さらにノンフィクションの未来を明るくすることを願います。