世界をエロス的に経験された秩序と捉える「エロス的世界像」の観点は、ニーチェのプラトニズム批判に始まり、フッサール、ハイデガー、バタイユへと受け継がれた。著者はそこにこそ、実存としての人間存在が生と世界を了解するための原理を見出すことができると説く。古典的哲学や自然科学が合理的に認識しうるとしてきた世界の幻想性を論証、現代哲学に新たなパラダイムを拓く画期的「エロス論」。