コックリさんからQアノンまで! 宗教研究者とたどる、人間の“妄想力”をめぐる旅路。
「亜宗教」とは、「近現代に生まれた非科学的で宗教めいた信念や言説」を指す造語。
本書では、宗教研究者が「オカルト・スピリチュアル・疑似科学・陰謀論」といった亜宗教を、宗教学の知見から分析する。
扱うのは、妖精写真、コックリさん、動物磁気、千里眼、念写、モンキー裁判、UFO、ニューエイジ、エスパー、臨死体験、シンクロニシティ、爬虫類人、Qアノン、反ワクチンなどなど……。
信仰と科学の狭間で蠢く人間の“妄想力”の歴史をたどり、「人間にとって信仰とはなにか」を暴き出す。
【目次】
・序章 宗教と科学の混ざりもの
▼第1部 西洋と日本の心霊ブーム 19→20世紀
・第1章 19~20世紀初頭の心霊主義
・第2章 コックリさんと井上円了の『妖怪学講義』
・第3章 動物磁気、骨相学、催眠術――19世紀の(疑似)科学
・第4章 明治末の千里眼ブームと新宗教の動向
・補章 伝統宗教のマジカル思考
▼第2部 アメリカ発の覚醒ブーム 20→21世紀
・第5章 ファンダメンタリストとモンキー裁判
・第6章 UFOの時代――空飛ぶ円盤から異星人による誘拐まで
・第7章 ニューエイジ、カスタネダ、オウム真理教事件
・第8章 科学か疑似科学か?――ESP、共時性から臨死体験まで
・終章 陰謀論か無神論か? 宗教と亜宗教のゆくえ
■著者略歴
中村圭志(なかむら けいし)
宗教研究者。翻訳家。1958年、北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(宗教学・宗教史学)。昭和女子大学非常勤講師。単著に『信じない人のための〈宗教〉講義』(みすず書房)、『教養としての宗教入門』『聖書、コーラン、仏典』『宗教図像学入門』(いずれも中公新書)、『教養として学んでおきたい5大宗教』『教養として学んでおきたい聖書』(ともにマイナビ新書)ほか多数。