野田知佑の生き様を一冊に凝縮
「日本の川を旅する」で鮮烈なデビューをし、日本はもちろん、世界の川を旅してきた野田知佑。カヤックツーリングの文化を日本に根付かせ、アウトドア界を牽引し続けてきた。刻々と汚れていく日本の川に憤怒しつつも、日本の細やかな自然と魚を愛し続け、多くの著書を残してくれた。
彼が紡いだ文章は、自然の情景や、自然と共に暮らす人の言葉を巧みに盛り込み、多くの読者の心を虜にした。旅に出ること、自由に生きることの大切さを常に若者に伝え、彼らの背中を押し続けた。晩年は、徳島に終の棲家をかまえ、川ガキ養成講座の校長として、多くの子供たちに川の楽しさを伝え続けた。
野田知佑の航跡を振り返りつつ、使った道具や旅した川の地図、親交のあった作家が見た彼の横顔、文章の元となったメモ書きに書斎の写真なども収録。
ファンならずとも、手元に置きたくなる、そして旅に出たくなる一冊になっています。
【編集担当からのおすすめ情報】
1984年、創刊3年目のアウトドア雑誌BE-PALで「のんびり行こうぜ」の連載がスタート。それから38年、毎月漕ぎおろしエッセイを書き続けてくれた。ユーコン川からFAXで原稿が来ることもあれば、四万十川で川遊びの合間に原稿を書いていることも多かった。根っからの川ガキで、カヌーイストとして活躍しながらも、常に若い旅人や何かにチャレンジする若者を応援し続けていた。川を愛し、自由を愛した作家の足跡から人となりまで、今まで逢ったことのない野田知佑に出会える一冊です。