「世界がじわじわと雑貨化している気がする」東京・西荻窪で雑貨店FALLを営む著者が、雑貨について、雑貨化する社会について考える。解説 荒内佑
インターネット、ヒロ・ヤマガタ、英字新聞柄のシャツ、ムーミン、
マガジンハウス、マックス・ヴェーバー、Amazon、ソニープラザ……
あらゆるものが雑貨化する社会の、雑貨店主の思考録。
【内容紹介】
「世界がじわじわと雑貨化している気がする。これは豊かになって物の種類が増えたから、ってだけじゃない。それまでは雑貨とみなされてなかった物が、つぎつぎと雑貨に鞍がえしているせいなのだ」ひとりで雑貨店を営む著者は、この社会のあらゆる事物を手がかりに「雑貨とは何か」を帳場で考えた。雑貨、消費社会、店の経営、人生についての、とても面白いエッセイ。
解説 荒内佑(cero)
【目次】
Ⅰ
夜と店の隅で/雑という字/半径一メートル/雑貨の銀河系/ちがいさえあれば/英字新聞/これは本ではない/予告された雑貨の記録/家路/雑貨の秋/音楽を聴いたころ/オフシーズン/ホットポー
Ⅱ
道具考/路傍の神/千のキッチュ/千のクンデラ/十一月の谷/俗と俗とが出会うところ/弦楽四重奏曲第十五番/漏れかっこいい/スピード・オブ・ライフ
Ⅲ
限界集落/船底の構造模型/パーリア的、ブラカマン的/悲しき熱帯魚/幽霊たち/最後のレゴたちの国で/落葉
文庫版あとがき 六年後のルノアールで
解説 小さく、遅く、むなしい、遁走 荒内佑