ぼくが3歳のとき、父は他界。
母は神仏やご先祖様の声がきこえる人で
困っている人の相談に乗っていたけど、
家はずっと貧乏だった。
親族間の面倒事の話し合いをするのはぼく。
“家のこと”のために林間学校も修学旅行も不参加。
そして――
15歳のとき母が倒れ、17歳から本格的な介護が始まった。
ぼくの世界は全て家の中。
あのとき、ぼくが過ごしていた時間は母のための時間だった。
ぼくもまわりも気付かないまま――。
目次
第1話 社会から取り残された場所
第2話 母は「先生」
第3話 学校より優先される“家のこと”
第4話 背負わされた責任と罪悪感
第5話 ぼくの世界は家の中
第6話 進学という希望
第7話 深刻化するケア
第8話 お母さんのおむつを替えた日
第9話 母の死
第10話 大人になったぼくの仕事
第11話 ヤングケアラー、見つけられた