鷲田清一とは何者か。もちろん哲学者である。現象学・倫理学を専門とし、臨床哲学という新たな分野を切り開いていった。さらにその射程は日本哲学、哲学対話にまで及ぶ。また、あるひとの目にはモード批評の開拓者として映るだろう。また彼は教育界の長としても知られている。大阪大学の総長、京都市立芸術大学の学長を歴任し、現在はせんだいメディアテークの館長を務める。哲学にもファッションにもまるで縁の無いような学生たちも彼を「ワッシー」と呼び慕っている。どの一面を切り取っても異なる印象をもつ、七色の怪獣・ワッシー。本特集では、その多面的な仕事を紹介し、多様な顔を持つ鷲田清一の全体像に迫る。