「大袈裟ではなく人生が楽しくなってきている」
医療記者、50歳を目の前にして 接客のアルバイトを始める。
ちょっぴり個性的なシェフと 素敵な常連さんに囲まれて
いつの間にかここは、私の居場所になっていた――
医療の専門記者として、25年間働いてきた、一人呑みが大好きな“私”。
メディアの経営悪化に、新型コロナウイルス感染症の影響も追い打ちをかけ
このまま医療記者を続けていけるのか、不安を感じていたある日、
ガキ大将のような風貌のシェフに声を掛けられ、あっという間にイタリアンレストランの接客アルバイトをすることに!
人生の後半戦にふと現れた、素敵な居場所。
職人肌で、常連さんと話すのが大好きなシェフ、
一回りも二回りも年下のアルバイトの仲間たち、
そして素敵な常連さんに囲まれ、泣いて笑って得たものは。
今とても寂しいあなたにも、心にぽっと灯りが点るかもしれない
とある街のレストランをめぐる、15のエッセイ。
「きっと全国にはだれにとってもこんな大切なお店があるのだろう。それぞれの場所で今日もそれぞれの愛しいドラマが生まれている。
そんなことを想像すると、この世の中捨てたもんじゃないなと私は心が温かくなるのだ。」(本文より)
【目次】
まえがき
Chapter1 医療記者、イタリアンレストランでバイトを始める
Chapter2 常連さんは店のファミリー
Chapter3 休めない、帰れないシェフ
Chapter4 最後のディナーで謎のお客さんが教えてくれたこと
Chapter5 キノコ採りの名人、伊藤さんのこと
Chapter6 「思い切って跳んでみると楽しいよ」
Chapter7 シェフのこだわり すべてはお客さんに喜んでもらうために
Chapter8 お客様は神様ですか?
Chapter9 常連の林さんとALSの妻、利恵子さんのこと
Chapter10 バイト仲間の卒業写真
Chapter11 シェフが「I LOVE YOU」を捧げる人
Chapter12 叱られても、へこたれない方法は?
Chapter13 酒とパスタの日々
Chapter14 若返る店、愛しい居場所
Chapter15 シェフインタビュー
あとがき