自分らしく、若々しく、新たな老人像を描く
日野原重明さんや五木寛之さんが提唱した「新老人」の概念を踏まえ、あらためてこの時代に私が「シン・老人」を定義するなら、「何歳になっても意欲や好奇心を持ち、元気に出歩いて消費もする、社会とつながりを保って暮らす老人」となります。
「シン」とは「新しい」という概念だけにとどまりません。高齢者が自分らしく、若々しく生きるために重要なさまざまな漢字をあてがうことができます。
進…失敗を恐れず、積極的に進歩的なことに挑む
深…知識や考え方に深みがあり、洞察力に優れる
芯…意志が強く、信条を守り、生き方に芯がある
親…共感力や好感度が高く、誰からも親しまれる
心…心構えが前向きで意欲や好奇心に満ちている
身…元気に長生きするための身体ケアを怠らない
紳…品格があり、紳士淑女として立ち居振る舞う
これが私のイメージする「シン・老人」像であり、彼らが発揮したり、もっていたりする力が「シン・老人力」です。
本書では、世界基準に照らした医学的な方法論だけでなく、30年にわたり、6000人以上もの高齢者と向き合ってきた私の経験則に基づき、「シン・老人力」をつけるための具体的な方法を提案します。
【編集担当からのおすすめ情報】
本書で、和田秀樹先生は「シン・老人力」が閉塞感の漂うニッポンを救うカギになるとも指摘しています。
〈約2000兆円に上る日本の個人金融資産のうち、7割を60歳以上が持っているとされます。日本の高齢者はいろいろな意味で、むしろ「最強の世代」と呼べる存在ではないでしょうか。「シン・老人力」という新たな価値観がもたらす「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、決して夢物語ではありません〉と。
その「最強の世代」である高齢者たちに対しては、「節約とがまんが美徳」などと思わず、ただ、食べたいものを食べ、やりたいことを好きなようにやりながら暮らしたほうがいいと説きます。
それだけで「ニッポン再生」の切り札になるというのです。
本書を読んでいただければ、自信を持って、自分の望むように日々を送り、人生を楽しむことができるようになります。
それが自分自身の健康長寿につながるばかりでなく、日本経済や旧来型の社会の価値観を変革するパワーにもなります。
高齢者の活力を社会に生かすことが、停滞するニッポンを救うという前提に立ち、和田先生の主張に耳を傾けていただければと思います。