折に触れ、ギャンブル関連のCMが射幸心をあおり、ネットの世界や至る所にあるパチンコ店が、私たちを日々誘惑してくる。誰もが、いつ、その沼から抜け出せなくなっても不思議ではない。はたして、ギャンブル依存に陥ってしまった人を、「自業自得」「意志が弱い」と切り捨てていいのか。長年にわたって医療の現場を歩いてきた著者が、ギャンブル依存によって人生の危機に陥った人々を取材。私たちは、この問題とどう向き合うべきかを考える。
《目次》
はじめに
序章 日本に根づく賭け事とは
第1章 元刑事の転落と再起
第2章 競艇の刺激に溺れた「彼」と「彼女」
第3章 一攫千金の誘惑
第4章 ギャンブル依存と家族の共依存
第5章 闇カジノの誘惑とワナ
第6章 ポケットのなかの断崖絶壁
おわりに
《著者紹介》
1961年東京都生まれ。84年、大学卒業後に渡米し、ウエストヴァージニア大学大学院修士課程を修了(Master of Arts)。専攻は文学・言語学。88年、読売新聞社(現 読売新聞東京本社)入社。医療情報部(医療部)、文化部などを経て、2015年から調査研究本部主任研究員、医療ネットワーク事務局専門委員、メディア局専門委員として勤務。現在は主に医療・健康のニュース情報サイト「yomiDr.」でコラムの執筆などを行う。精神・神経分野への関心が強く、科学の面だけでなく、社会学、心理学の側面からも医療取材を続けている。