粘土とは? この本の終わりのページで、みなさんはおやっと思われたのではないでしょうか? 粘土が入っているものとして、 油粘土や紙粘土があげてあるからです。 正確にいうと、じつは、こういうものは粘土そのものではないのです。 粘土が入ってはいますが、 工作しやすいようにたくさん混ぜものがしてあります。 粘土とは、天然の岩が細かく砕けて、粒子の直径が1000分の2ミリメートル以下になったもののことをいうのです。 子どもたちが水たまりやどろんこで遊ぶときは、水や土という自然界の微妙な肌触りを、 全身で味わいます。 粘土細工はこういう感覚を育てるために、絶好の素材といえましょう。 そこでこの本では、 粘土を自然と結びついた素材という形で表してみたいと思いました。 子どもたちに粘土は自然界のものだということを知らせたくて、探し当てたのが、 P22~23の写真にある、 埼玉県の高麗川の河原です。 この場所の崖や川底には、きめが細かい、焼くとかたく焼き上がる粘土がたくさんありました。
粘土細工 (中略)
有用な粘土 (中略)
日用品と粘土 (中略)
(藤田千枝)
藤田千枝(ふじたちえ) 科学絵本の翻訳, 執筆にお忙しい毎日ですが、 本号 「ねんど」 では取材、撮影すべてに立会っていただきました。 科学読物研究会会員。
中川寿子(なかがわひさこ) 「自由に楽しく好きなものを作ればいいんですよ」と優しくご指導いただきました。 日彫会会 員、日展会友、女子美術短期大学彫塑研究室助手。
しぜん キンダーブック ねんど 編集者 登坂秀樹 発行者 荒井健之輔 発行所 株式会社 フレーベル館 東京都文京区本駒込6丁目14番9号 電話03(5395) 6603 印刷所 凸版印刷株式会社 印刷所 表紙レイアウト 桜庭文一 協力/月かげ幼稚園 写真/岩尾和彦 1994年10月1日発行