• 著者農業土木学会編

農業土木学会選書

「農業土木学会選書」の発刊にあたって  「自然の色は」 ときかれたとき, 日本人の多くはすぐに草木の緑や水の青さを思い浮べるという。 われわれにとって国土とは常に緑や青のみずみずしくうるおいのある環境のことなのである。  農業土木の内容が今後どのように発展しようとも、 それが自然の中の緑と青とを素材にして、人びとの生活をいっそうゆたかなものにしようとする仕事である点にはかわりあるまい。 そうであるとすれば 「公害の先進国」などといわれる今日の日本にとってこれほど大切な仕事は他に類が少ないのではなかろうか。  農業土木学会はそのような仕事をすすめようとしてそのことについての知識を希求する者の集団である。 この選書は、このようなこころをふまえ、このような人たちの求めにこたえて学会の一つの企画として生れた。会員の生み出した新しい知識と知恵とはこの選書によってあまねく多くの人びとのものとなろう。 そして、 やがてはそれが日本の世界の緑と青との, 平和でゆたかなくにづくりに生かされてゆくであろう。 一見渺たる小冊子にすぎないこの選集もその一冊一冊にはこのような大きな期待と願望とがこめられているのである。 (1971年3月) 社団法人 農業土木学会

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