父母のみなさんへ 私は、幼いころストーブにあたりながら、おじいさん、おばあさんが、語ってくれた開拓のころの話を今でもよくおぼえています。 私たちの祖先は、原始林におおわれた北国のこの地を1本1本切り開くところから始め、それは文字どおり血と汗のたたかいで、とてもつらかったと思います。 今この素晴しい郷土は、大勢の人たちのたゆまない努力と、知恵によってきずかれたものと思います。 私は、その長い歴史の中で自分を無にしてひたすら子孫と郷土の繁栄を願い頑張った先人のそ の“こころ”を幼いこどもたちに是非受け継いでほしく、絵本にまとめました。 この絵本をとおしてこどもたちが、 “郷土新十津川〟 に限りない愛着をもつと同時に親子のふれあいを深め心豊かな夢のある町民に育ってほしいと思います。 新十津川町長 山口諭
参考文献 新十津川町史 北海道開拓記念館友の会「開けゆく大地」 毎日新聞社 「決定版昭和史」 小学館 「日本写真全集」
協力 新十津川町開拓記念館 資料専門員 平田角平氏 新十津川町教育委員会のみなさん
井上正治 (いのうえまさじ) 画家。 1939年、 北海道新十津川町に生まれる。 東京デザインスクール中退後、 子ども向けテレビ番組や雑誌、単行本に絵を描きつづけている 作品に「こころ・からだ・いのちのえほん」 「じしゃくであそぼう」 「かぜとあそ ぼう」 「みんなはらぺこ」 (岩崎書店)、「サーカスのぞう」(金の星社)などがある。
1986年3月31日 第1巻発行 文責/新十津川町教育委員会 絵・装幀/井上正治 発行者 / 新十津川町教育委員会