• 著者編著 小泉健 イラスト 笹川 真由美

グリーン・イノベーション一価値観を変える明日の生命と地球のための技術一

はじめに 食料自給率四一%、食べられるのに廃棄される食品四割、食品偽装、農村の過疎化、農家の高齢化と減少など、日本における農業と農村を巡る課題を目にすることが多くなっています。その一方で、世界的には人口増加と食料の不足、砂漠化・地球温暖化等による食料の生産環境の悪化などが問題となっています。 JT 生命誌研究館館長の中村桂子氏は、現代の地球環境問題の深刻さと殺伐とした人間関係の事件の多発は、今や具体的に地球環境と人間の心という形で暗示され、この現象を「実はこの二つはそれぞれ「外の自然」と『内の自然」の崩壊であり、生命の危機という共通の側面を持っている」、そしてこの打開のためには、「自然」(循環)を生かして暮らす」という単純な選択をすれば良いと言われています。 農業や農村においても、「水土の知」という、循環という自然の科学的機能を最大限活かした技術(知恵)があります。 二一世紀初頭に立つ私たちは、人口爆発、温暖化の進行、生態系の破壊、資源濫用など地球規模の危機に直面しています。 これらの事態は近い将来人類の存立を脅かすまでになっており、いわば人類は自らが生み出した文明の帰結に押しひしげられつつあると言えます。 今日の文明が直面している地球規模の危機に対しては、個別的、部分的な対応では不十分です。 ...

2010年3月31日 印刷・発行 グリーン イノベーション 一価値観を変える明日の生命と地球のための技術一

発行者 独立行政法人農業・食品產業技術総合研究機構 農村工学研究所

〒 305-8609 茨城県つくば市観音台 2-1-6 電話 029-838-7513(代表) 制作 財団法人農林統計協会

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