「病気は決して中立的なものではない。
治療はイデオロギーと無縁ではありえない。
死が政治性を免れることもない。」
シングルマザーであり、大学で教えながら詩人として活動する著者は、41歳のときトリプルネガティブ乳がんと診断された。彼女は自らが経験したことを書きながら、スーザン・ソンタグ、オードリ・ロード、キャシー・アッカーなど、乳がんで命を落とした女性作家らが乳がんをいかに「書いたか/書けなかったのか」という歩みを辿り、米国の資本主義医療の欺瞞を突く。2020年ピュリッツァー賞受賞作。
「死んだ女性たちからなる反乱軍をこの世に生き返らせたかった。」
ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』で高い評価を得た訳者、西山敦子による待望の著者初邦訳!
新田啓子氏、絶賛!
アンダイングとは、不死身ではない我々への呼びかけであり、命を落とした人々への哀悼でもある。がん医療の実際と病を語り伝える人間の不屈さを綴る本書を前に、私自身の人生観が静かに変わる。