2018年に逝去したかこさとし氏は、240余りの小さなお話の原稿を残し、自ら編んで、さまざまなお話の種類に分類していました。「動物のおはなし」「日本のむかしばなし」「生活のなかのおはなし」「世界のおはなし」です。まだ本にしていないお話や、雑誌に掲載されたり、紙芝居としてかかれたお話を、亡くなる直前まで手を加えたり挿絵を描いて、童話集として編集をしていたのです。どの巻も、文字を読み始めた小さな子から小学生くらいの子どもたちに向けて、どこから読んでも楽しめるおもしろいお話をいっぱい収録しています。
1巻は、3冊あるうちの「動物のおはなし<その1>」。からすのカンタくんの成長のお話「おむすび山のカラスちゃん」から始まり、お寺の境内でありんこたちが大きなお菓子を見つけて大騒ぎする「こってりチョコ菓子じけん」、1953年に初めて大型紙芝居として描かれた作品を元にしたナメクジのお話「おすましヌルちゃん がんばりヌラちゃん」、両親を亡くした8ひきのこぶたたちが、親切な大人たちの助けによってアイスクリームやさんを始めて大繁盛する「こぶたのアイス さあどうぞ」など、バラエティに富み、かこ氏の子どもたちに向けたまなざしや励ましがつまったお話が29話も楽しめます。