子規が日夜愛用した中国産の墨の銘をとって名づけられた本書は『墨汁一滴』『病牀六尺』『仰臥漫録』とならぶ子規晩年の四大随筆の一つ。病床にあって強く濃く生きた人の記録であり、野球が大好きだった子規が書きとめたベースボール紹介の貴重な一文を含む。