• Author㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル NO.2137 2023.7.13

1.約6年前に併合14級頸部痛等を残す50歳代男子の労災3級認定高次脳機能障害は各診断書等から直ちに高次脳機能障害を認めることはできない他、意識障害や画像所見も見られない等から否認して後遺障害の残存も否認した 2.8級8号左上肢偽関節、12級6号左上肢関節機能障害及び9級10号外傷性てんかん等の併合7級後遺障害を残し仕事のできている24歳男子の逸失利益をセンサス男女計学歴計平均を基礎収入に67歳まで45%の労働能力喪失で認定した 3.50歳代男子コンサルティング会社勤務の前額部線状痕を自賠責同様9級16号顔面醜状と認定し業務の遂行に支障を来すほどのものとは認められないと後遺障害逸失利益の発生を否認した 4.71歳女子の頸部痛等及び腰痛等の自賠責併合14級認定後遺障害は約1ヶ月の治療中断期間が多数回あり、事故から約1年経過後に頸部症状の主訴からも本件事故に起因する後遺障害の残存を否認した 5.53歳男子X主張の10級10号左肩関節機能障害の可動域測定値はXがリハビリ治療に消極的であったことから将来も回復が困難な障害とは認めらないと本件事故による左肩関節機能障害を否認し後遺障害の残存も否認した 6.道路左端に乗用車を停車中に路外駐車場から後退してきたY準中型貨物車に衝突された50歳代男子X主張の右膝内障及び右外側半月板損傷はXの半月板の変性によって生じたと本件事故での受傷を否認した 7.腰椎椎間板ヘルニア及び頸椎椎間板ヘルニアの既往症を有し停車中に追突され腰椎捻挫等から併合14級後遺障害を残した43歳女子が訴えている痛み等の部位は既往症により生じていた部位と重なる等から4割の素因減額を適用した 8.片側1車線道路を走行中のA乗用車に仮睡状態で中央線を越えて衝突してきた対向Y乗用車の第1事故での一方的過失を認め、横向きとなったA車に衝突した後続W乗用車に第2事故での1割の過失を認めたことによりYとWの共同不法行為を認定した 9.歩道上を進行してきて右に方向転換し青信号交差点の横断歩道を横断中に右方から赤信号で進入してきた被告自転車に衝突された72歳女子原告自転車は自転車横断帯を横断せず合図を出さないまま方向転換した等から1割の過失を認定した 10.店舗駐車場内で買い物カートを強風に煽られ被告車両に接触させた女子原告の修理費等約80万円の本件示談書作成に係る本件合意の成立は原告が錯誤に基づいて承諾したと認め本件示談の一部取り消しを認定した 11.工事中の歩道上を自転車で進行中の男子原告が対向自転車とすれ違う際に外壁に取り付けられた金具に右手示指を接触させ受傷は通常の通行方法とは異なる方法で通行したことが原因であると被告会社の工作物設置の瑕疵を否認した 12.頸椎捻挫等の傷害を負ったYがZ整形外科に通院した合計33日の通院日数を甲損保に対し162日と申告して治療費の請求はZ整形外科の不正請求と認定した 13.頸椎捻挫等から自賠責14級9号認定の後遺障害を残す54歳男子原告の人身傷害保険金請求は本件事故により原告に医学的他覚所見を伴う後遺障害が生じたとは認められないとして保険金請求を棄却した 14.業務の農作業中に頸椎捻挫及び腰椎捻挫等の傷害を負ったとする原告らの業務災害補償保険金請求は原告らにおいて事故や受傷の事実を仮装した可能性があり保険金請求が不正なものとの疑念を払拭できないと請求を棄却した 15.オークションで落札した原告レクサスの用水路転落のハンドル操作は意図せずには考え難い上、走行距離が約21万㌔㍍もメーター改ざんされ価値を高く装う措置や多数の保険金請求歴から故意事故を認定し車両保険金請求を棄却した

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