• Author㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル NO.2138 2023.7.27

1.自賠責1級1号四肢麻痺等を残す42歳男子の将来介護費は職業介護人及び近親者介護を併せて行うとして妻68歳までは近親者介護費日額6,000円、職業介護費日額1万6,000円、妻68歳以降は職業介護費日額2万2,000円で認定した 2.両側感音性難聴を有する11歳女子Aの死亡逸失利益をAが就労したであろう時期に聴覚障害者の平均収入の増加が予測できる等からセンサス全労働者平均の85%を基礎収入と認定し67歳までの49年間45%の生活費控除で認めた 3.31歳男子主張の9級10号脳脊髄液漏出症の発症は起立性頭痛及び画像所見認められず複数回のブラッドパッチ治療も症状の改善がない等から発症を否認し自賠責同様14級9号頭頸部痛等を認定した 4.歩行中に乗用車のドアミラーに右前腕を接触された49歳男子主張の右鎖骨遠位端骨折を否認し本件事故による右肩腱板損傷を認め12級13号右肩関節痛を認定して右肩腱板の変性から7割の素因減額を適用した 5.横断歩道歩行中にY車両に接触され14級外傷性頸部症候群等を主張する79歳男子Xの後遺障害の残存を否認し、既往症から2割の素因減額を適用した 6.男子家事労働者主張の12級13号右足関節運動麻痺等はMRI画像や神経伝導検査に異常所見は認められないと自賠責同様併合14級認定しセンサス女子全年齢平均の4割を基礎収入に5年間5%の労働能力喪失で逸失利益を認めた 7.渋滞停車中に追突され95日間通院した39歳男子の整骨院施術料は担当医師の指示や承諾を得ずに受けた他、施術がどのくらい功を奏したか疑問がある等から本件事故と因果関係のある損害には当たらないと否認した 8.青信号交差点を直進中に同一方向から左折してきた大型貨物車に衝突され死亡したA自転車はスマホを把持し画面をうかがう仕草を何度かとっていた等から過失割合は極めて小さいとまではいえないと15%の過失を認定した 9.中央線のないカーブ道路での原告乗用車と対向被告乗用車の衝突地点が道路中央より0.6㍍原告車側であったことから道路中央をまたいで走行していた被告車の一方的過失を認定した 10.共同不法行為者である自賠責保険等未加入のY乗用車に衝突され死亡した男子AのYと自動車共済契約を締結する乙共済に対する直接請求権の範囲でYが自賠責共済等に加入していれば支払われていた金額を控除することは許されないと認定した 11.Y運転のX所有乗用車にXが同乗して走行中にガードレールに接触し受傷したとするXら主張の本件事故はXの供述は信用できず合理的な疑いをさしはさまない程度にまで立証されているとは認められないと事故の発生を否認した 12.原告乗用車がコンビニ駐車場角に設置された鉄製ポールに衝突し全損したとする主張は本件駐車場で生じたとは考え難く、本件事故発生の根拠とする原告の供述は信用に欠けると否認し請求を棄却した 13.午前3時頃に知人Bが同乗し原告が運転する被保険乗用車が河川に転落して損傷したとする保険金請求は原告らの供述が虚偽である可能性が高い等から原告らが偽装して故意に発生させたと推認できるとして請求を棄却した

>> 続きを表示