一九八三年夏、一発の銃弾がフィリピン大統領候補、ベニグノ・アキノの頭部を貫いた。それは三年ぶりに祖国の地を踏む直前のことだった。何故彼は死を覚悟してまで祖国に帰らなければならなかったのか。生前から日本人として最も深く親交を結んできた著者がすべての真実を明らかにし、閉ざされた歴史の光を当てた衝撃のノンフィクション・ノベル。