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  • 著者菅野朋子
  • 出版社草思社
  • ISBN9784794226778
  • 発行2023年9月

いじめられっ子だった弁護士が教える自分の身のまもり方

 学校で嫌なことをされたらどうすればいい? この本は、自身もいじめ被害者である弁護士が、いじめに立ち向かい、自分の身を守るための法的知識と具体的手段をまとめたものです。 著者は中学の終わりから高校2年まで、学校で陰湿ないじめを受けました。いじめのせいで、摂食障害やうつ病を患い、不登校になり、最後は転校を余儀なくされました。37歳で司法試験に合格するまでは、「いつ死んでもいいや」という投げやりな気持ちを抱えて生きていたと言います。 今この本を手に取ろうと考えている人の中には、現在進行形でいじめに悩む人や、その親御さんがいるかと思います。いじめの渦中にあると、どうしても「いじめられていることは恥ずかしい」と感じ、周りにいじめの事実を言いづらいということがあるかもしれません。 しかし著者は、自身の過去の反省をふまえ、いじめは絶対に我慢してはいけない、と強く訴えます。そして、「いつ、誰に、どういうことをされたのか」いじめの証拠をしっかり集め、少しでも早く、声を出して周りに訴える重要性を説きます。いじめ解決のために、間違っても「できるだけ穏便に解決したい」「ことを荒立てたくない」などと考えてはいけないこと、また、いじめには毅然とした態度で対処することが重要であると述べます。いじめ行為の中には、恐喝や名誉棄損など立派な犯罪になるものもあり、法律の観点から見過ごすわけにはいかない問題があるのです。 学校生活では、友達との関係をつい優先して、多少の嫌がらせも我慢してしまう子も多いと思います。だからこそ、本書を通じて、少しでも嫌なことや危険な目にあったとき、どう自分の身を守っていけばいいかの具体的な方法を知ることは、とても意義があることです。 お守り代わりに1冊持っておけば、いざというときに強い味方になってくれるでしょう。

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