• 著者ぎょうせい

月刊 ガバナンス 2023年9月号

特集1:2024年問題と地域

長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現をめざして2018年に制定された働き方改革関連法。19 年から順次適用されていたが、5年の猶予期間が設けられていた自動車運転業務、建設業、医師について、24 年4月から時間外労働の上限規制が適用される。生産年齢人口が減少し、社会全体の人手不足が深刻な中で、労働環境の厳しさが指摘されてきたこれらの分野では、この規制強化によってさまざまな問題=いわゆる「2024 年問題」が起きることが予想され、業界のみならず、社会としてどう向き合うかが問われている。特にトラック輸送などの物流はもはや日本社会に不可欠なインフラであり、サービスの質や量の低下や価格の上昇は、他産業や人々の暮らしにも大きな影響を及ぼす。すでにそこまで迫っている2024 年問題に地域や自治体はどう対応していくのか。今月は考えてみたい。

特集2:都市型水害にどう備えるか

今年も記録的な大雨による災害が相次いでいる。7月上旬から中旬にかけて九州北部や北陸地方を中心に梅雨前線や線状降水帯などにより、浸水や土砂災害が発生。さらに、7月中旬には、秋田県を中心に東北地方で大雨が続き、多いところで総雨量400㎜を超え、河川の氾濫などが相次いだ。特に、秋田市では氾濫した川から離れた中心市街地でも、内水氾濫による大規模な浸水が起き、甚大な被害が出ている。気候変動が進む中で豪雨災害は全国各地で発生しており、リスクは全国どこの地域にもある。特に河口部や低地に大都市が集中する日本では「都市型水害」はどこで起きてもおかしくはない。こうした都市型水害にどう備えるか考えてみたい。

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