心を病むとはどういうことか。精神分裂病者に共通して感じられる独特の不自然さの意味を解明すべく、フロイト以来の精神病理学をたどり、「間」「主体性」「時間」等の概念を駆使して、現象学的に精神病理を捉える。心と身体、生命論と精神病理、進化論と人間の存在との関係など、長年の思索と研究の成果を分りやすく語り、分裂病の本質に迫る。