博覧強記の巨人・柳宗悦。その活動はそのまま、近代日本が強いられた、知的かつ美的な苦闘の縮図である。「全球的時代状況との同時的感応」という世界的な知と美の変動の中を疾走した柳の軌跡を通し、もう一つの日本近代美術史の可能性の中心と民芸の創造のダイナミズムを描く。