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  • 著者岡田林太郎
  • 出版社コトニ社
  • ISBN9784910108131
  • 発行2023年11月

憶えている / 40代でがんになったひとり出版社の1908日

〈43歳の秋、僕は末期がんになった。
  そんなに長くは生きられないらしい。
  僕に残された月日はあとどれくらいなのか。
  果たしてこの本を書き終えることができるのか。
  この本にはたくさんの日付が出てくる。
  そのころあなたは何をしていただろうか。
  そしてあなたがこの本を読むときに、僕はどこで何をしているのだろうか。
  あるいはもうどこにもいないのかもしれない。〉(本書「はじめに」より)
2018年の春、40歳の編集者・岡田林太郎は、夢と希望と不安をいっぱいにかかえて、ひとり出版社〈みずき書林〉を創業しました。
そのときから5年とすこしのあいだ、彼は日記(ブログ)を書きつづけてきました。
本書には、その膨大な日記のなかから彼自身が選んだ文章が、引用・ペーストされています。
さらに、そのひとつひとつの過去の日記に対して、「末期がん」をわずらった現在の彼が、「いま何を感じているか」その切実な思いをつづっています。
この本は、〈ひとり出版社〉の作り方や閉じ方といったものを記した「ハウツーもの」ではありません。
がん患者さんやその家族に喜んでもらえるような「闘病記」でもないかもしれません。
〈ひとり出版社〉として最後まで生きぬいた人間の日常の記録、つまり「ライフヒストリー」のような本です。
16年間のサラリーマン生活にピリオドを打ち、一念発起し、ひとりで出版社を独立創業。
その後「末期がん」になった40代男性は、自分が書いた日記をよすがに過去を思い返し、そしてそれに対していまどう思うかを、文字どおり全身全霊をかけ、あらんかぎりの力を尽くし、最期まで書きつづりました。
本書は、その魂の記録です。

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