特集:包摂的な地域社会への視座
2015年9月、厚労省は「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」を公表した。近年、介護保険、障害者総合支援、子ども・子育て支援、さらには生活困窮者自立支援などの福祉施策や制度が整備され、「地域」という視点からの分野横断的な取り組みが重視されるなかで、全世代・全対象型の新しい地域包括支援体制の構築をめざすものだ。すでに政府の「一億総活躍プラン」などとも連動しながら、さまざま形で検討が進められているが、制度を実施・運用している自治体や地域では、具体的な取り組みも始まっている。これから地域の福祉はどこへ向かっていくのか、その方向性について考えてみたい。