• Author㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル NO.2141 2023.9.14

1.労災2級認定を受ける42歳男子会社経営Xの2級1号主張の高次脳機能障害を生活状況等から否認し5級2号を認定し、役員報酬の6割を基礎収入に22年間79%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認定した 2.男子主張の左上下肢CRPSの発症は慢性期の主要3症状の①関節拘縮②骨の萎縮③皮膚の変化は認められない他、損害賠償金を得ることを意識していた等からCRPSの発症を否認し事故後約3ヶ月で症状固定と認定した 3.追突された28歳女子主張の12級PTSDは衝撃は大きいものであったが傷害としては他覚的所見のない打撲等に留まっている等から診断要件には該当しないとPTSDの発症を否認し心因的要因により5割の素因減額を適用した 4.本件事故による第6頸椎圧迫骨折が肺炎に影響を及ぼして約1年後に死亡したとする80歳男子Aは事故約1ヶ月半後の自宅での転倒を境にした症状経過等から本件事故による第6頸椎圧迫骨折を否認しAの死亡との因果関係も否認した 5.12級13号右膝神経症状を残す職業及び収入が固定しない30歳代男子の後遺障害逸失利益をセンサス男子同学歴全年齢平均の7割を基礎収入に過去の職歴にとび職が含まれる等から10年間14%の労働能力喪失で認定した 6.横断歩道を歩行横断中に乗用車に衝突された事故後大きな減収のない49歳男子主張の頸椎捻挫、右腕打撲傷等の受傷を認め自賠責同様14級9号右上肢痺れを認定し5年間5%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めた 7.14級9号左後頸部痛等を残す55歳男子会社代表取締役の後遺障害逸失利益を役員報酬の5割を基礎収入に5年間5%の労働能力喪失で認定した 8.停車中に被告乗用車に追突された52歳男子自営業主張の併合7級頸椎運動障害等は明確な外傷性器質的損傷なく他覚的所見が認められないと後遺障害の残存を否認し、役員報酬が減額されていない等から休業損害も否認した 9.第1車線を乗用車で走行中に第2車線から車線変更してきた貨物車にドアミラーを衝突された57歳男子主張の頸部挫傷等の受傷は衝撃が大きいとは推認されず受傷機転も説得的な説明はない他、他覚的所見は認められない等から受傷を否認した 10.片側1車線道路での原告乗用車とセンターラインを越えて進行してきた対向被告乗用車のドアミラー同士の衝突でドライブレコーダーの映像等から50歳代女子原告の身体を左に揺さぶるほどに大きな衝突であったと認められず客観的所見もないとして原告の受傷を否認した 11.夜間、駅前ロータリー内の道路上を歩行中に被告乗用車に衝突された45歳男子Aの過失を3割と認定した 12.夜間、自転車通行禁止の遊歩道から進入してきた無灯火Y自転車に出合頭衝突された道路走行のX自転車は右方の安全確認を怠り左側部分通行義務の不徹底があったと2割の過失を認定した 13.24歳女子Xが運転代行を依頼したV乗用車に同乗して停止中にY運転の運転代行業を営むZ所有の乗用車に追突された本件事故はYの私用中の事故を否認しZの業務中に起こしたと認め年齢限定特約により乙損保の保険免責を認定した 14.B所有の貨物車をB会社従業員Yが運転中の本件事故はBが業務に関する利益を得ることができる場面であったとはいえずYが「業務のために」運転していたとは認められないと他車運転危険補償特約に基づく共済金請求を認容した

>> 続きを表示