特集:気象災害と自治体の危機管理
毎年のように日本列島を襲う気象災害。8月20日未明に発生した広島市の土砂災害では74人の人命が失われた。その後も各地で豪雨などが発生し、10月に入っても2週続けて列島を縦断する台風に見舞われた。 地球温暖化などによる気候変動が進むなかで、豪雨(洪水・高潮・土砂災害)だけでなく豪雪、暴風、竜巻、雷、雹、熱暑などの気象災害はまさに「日常」になりつつある。一方、8月の広島市や昨年の伊豆大島の土砂災害で、避難勧告・指示の遅れや土砂災害警戒区域の指定にかかわる責任が指摘されているように、行政の対応や仕組み・制度の問題も浮き彫りになっている。 気象災害は、技術の発達などにより、地震に比べて予測可能性が高く、もはや「想定外」というエクスキューズは使えない。今、自治体は何をしなければならないのか。過去の経験を踏まえた現場での取り組みなども含めて自治体の危機管理のあり方を検討していく。