戦時下と現代の熱い駅伝魂を描く感涙小説
ボストンマラソンの会場で、とある選手から古びたボロボロの日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原。それは、戦時下に箱根駅伝開催に尽力したとある大学生の日記だった。その日記から過去を覗いた二人が思い知ったのは、美談でも爽やかな青春でもない、戦中戦後の彼らの壮絶な軌跡。そこには「どうしても、箱根駅伝を走ってから死にたい」という切実で一途な学生達の想いが溢れていた。
現代の「当たり前」は昔の人々が死ぬ気で勝ちとってきた想いの積み重ねと知った彼らは・・・・・・・。そして、戦時下の駅伝を調べ、追う彼らに起きた、信じられないような奇跡とは。
先人達の熱い想いが襷として繋がり、、2024年、第100回箱根駅伝は開催される。
熱涙間違いなしの青春スポーツ小説、最高傑作です。
【編集担当からのおすすめ情報】
いち駅伝ファンとして2024年1月の第100回箱根駅伝を盛り上げたい、との一方的な熱い想いからこの企画は生まれました。毎年溢れる感動を与えてくれる駅伝。戦時下に『幻の箱根駅伝』と呼ばれる大会があったことは知っていました。今回そこにスポットを当てた文芸作品に仕上げていただきたい、とお願いしたところ、駅伝愛に溢れる額賀澪さんからこんなにも素敵な原稿が上がってきました。著者・額賀澪さんの駅伝ベストセラー小説『タスキメシ』シリーズでも、多くの駅伝関係者を唸らせたリアルな競技描写と心理風景は今回も健在です。その上で、史実に基づいた取材と調査を重ねた本作品。
何度涙腺が崩壊したことか。読後は感動のあまりしばらく現実世界に戻ってこられませんでした。青春スポーツ小説史上に残る大傑作だと思います。
駅伝好き、スポーツ好きに限らず一人でも多くの方に届けたい作品です。
重いテーマを扱いながらも読後に残る爽快感は、額賀作品の魅力です。