• Author石橋須見江

障がい者と地域社会の真の共生をめざして

障がい者に対する 地域社会の差別と偏見は どうすればなくなるのか?

障がい者と地域社会の 真の共生を実現するために―― 25年間にわたり奮闘した 社会福祉法人理事長の軌跡

障がい者と共生する社会を実現しよう――この理想を叶えるため、 著者は永年にわたって障がい者福祉に携わり、歩みを続けてきました。 本書は、その思いと行動の軌跡をまとめたものです。

障がい者と健常者はお互いが区別されることなく、社会生活をともにするのが 大切であるとする「ノーマライゼーション」の考え方が北欧で生まれたのは、 1950年代のことです。しかし、日本においてノーマライゼーションが実現されている とは言い難く、グループホームなどの障がい者関連施設の建設や運営開始にあたり、 地域住民から反対されるケースは、今でも珍しくありません。 著者は養護学校の教員として30年以上勤めたのち、障がいのある子どもたちが 社会に受け入れられていない現実をなんとかしたいという強い思いから、 退職金をすべて注ぎ込み、支援者が集めてくれた寄付金を加えて社会福祉法人を 設立しました。現在では約30の施設を運営していますが、開設にあたって 地元住民の反対を受け、断念せざるを得なかった経験をもちます。 そのたびに諦めそうになりながらも説明会を開くなどして粘り強く理解を求めるうち、 著者の夢に賛同する人が現れ始め、一歩ずつ地域との信頼関係を育んできました。

本書には、著者が障がい者教育にどんな思いで携わってきたのか、その思いを 社会福祉法人の経営にどう活かし、何を実現してきたのかが記されています。 全国の社会福祉法人や障がい者、家族、そして地域の行政を担う人たちにとって、 これからの時代にふさわしい社会福祉法人のありかたを改めて考える手掛かりとなる 一冊です。

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