好き者を守り、悪しき者を許さない。胸がすく時代小説!教え子たちを慈しみ、好青年の恋を“取次ぐ”――市井に生きる栄三の温かなまなざし永井家用人・深尾又五郎から、取次屋秋月栄三郎は異な相談を受けた。分家の若様・辰之助が、嫁取りもせぬ身で茶屋の娘に惚れてしまったという。放蕩せず文武に秀で、涼やかな青年がなぜ? 娘の身の上を探ってほしいと頼まれた栄三郎は、心優しく聡明な町娘にすっかり魅了される。辰之助の恋を、何とか実らせてやりたくなった──。痛快かつ心満たされる豊饒の時代小説。
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