『百人一首』は、誰によって、何の目的で作られたのか。長らく藤原定家が撰者とされていたが、著者の最新の研究により、後人による改編が明らかとなった。成立の背景やアンソロジーとしての特色を解きほぐし、中世から現代までの受容のあり方を考えることで、和歌にまつわる森羅万象を網羅するかのような求心力の謎に迫る。