怒髪天を衝く勘兵衛。忽然と消えた凶賊を地獄に送ると誓う。激震の“鬼勘”犯科帳!『信長の軍師』シリーズの著者が贈る江戸黎明期の壮絶捕物帳!北町奉行所が権威を脅かす失態を犯した。日本橋の薬種問屋で家族奉公人合わせて十七名が皆殺し、六千両を奪われたのだ。非道の予兆を見逃した痛恨の極みであった。米津勘兵衛は凶賊を大所帯と睨み、浅草の女歌舞伎に的を絞る。ところが一座は京への道行きで同心たちを手玉に取り、忽然と姿を消してしまう。窮地の勘兵衛は威信回復をかけ、執念の一手を打つが……。