日本の名作を重厚な油絵で描いた、戸田幸四郎の名作絵本シリーズ。 このお話は宮沢賢治の世界を象徴する名作なのですが、絵本化されているのは本作のみ、という賢治童話の中でも珍しい作品です。
人や動物から恐れられる一匹の竜。ある時「もう、悪いことをしない。」と心に誓います。 許すこと、受け入れること。自分の命さえ投げ出すような、壮絶なまでの竜の優しさは、読む者に「優しさ」の意味や本質を問いかけてきます。 竜の心の内が伝わるような重厚な油絵も、絵本の世界をより深いものにしています。
小さなお子さんには難しい内容にも感じられますが、竜の姿を前に、子どもが釘付けになったという読者のお手紙も多くいただく本作。子どもたちの心に、深い余韻をもたらすでしょう。