篤い友情、淡い初恋、差別的な教師への敵愾心、弟・正雄との心の絆、父・斉次郎への初めての反抗、海の彼方へ去る者への惜別-。沸騰する感情と旅立ちの予感が、中学生に成長した英雄を内側から激しく揺さぶる。十四歳という嵐の季節を、傷つきながらも一途に突き進み、大人の世界へ踏み出そうとする少年の姿を、自らの体験に基づいて峻烈に描き上げた感動の自伝的長編「第二部」。