50年代からの脱植民地、独裁政治と経済停滞、80年代からの驚異の高成長…そして、今また経済危機の苦境に陥っているアジア。最近十数年間のベストセラーと話題作を「矛盾が顕在化しつつある中国」「危機の朝鮮半島」など、歴史と地域性に根ざした八つの視点で読み解く。戦後、世界の舞台に踊り出てきたアジアを語るとき、常に見え隠れするアジア的停滞のイメージとアジアへの蔑視。本書では、現代アジア論の第一人者である著者が、これらの悲観論を払拭しその潜在的成長力を明らかにしていく。