• 著者㈱自動車保険ジャーナル

自保ジャーナル No.2153

1.30歳男子解体業の自賠責3級3号高次脳機能障害は一定程度の意思疎通能力や社会行動能力等を有している他、仕事を再開して事故前と遜色のない収入を得ている等から終身労務に服することができないとは認められないと7級4号を認定した 2.軽自動車の後部座席に同乗して信号待ち停止中にY乗用車に追突された52歳男子X主張の頸・胸部痛等は既往症の後縦靱帯骨化症及び黄色靱帯骨化症の症状が出現し12級13号後遺障害が残存したと認め5割の素因減額を適用した 3.約5ヶ月前の前件事故で受傷した女子原告主張の本件事故による右肩関節痛を14級9号と認め本件事故による損害の寄与度を85%と認定した 4.軽自動車で停止中にY貨物車の脱落した左前タイヤに助手席側ドアを衝突され左膝・腰椎捻挫等を負ったとする48歳女子Xの供述は不自然等から採用できず接触したタイヤの運動エネルギーによる衝撃は小さい等からXの受傷を否認した 5.信号待ち停車中に追突された43歳男子X主張の頸椎捻挫及び腰椎捻挫はX車に生じた衝撃は強いものとは考え難く、直ちにXが傷害を負う程度のものとは認め難い上、従前の既往歴や事故歴等からも本件事故による受傷を否認した 6.Yタクシーに乗車して信号待ち停止から発進した直後の急制動で頸椎捻挫、右5指捻挫等の傷害を負ったと主張する42歳男子Xの供述等は不自然・不合理で信用できないと本件事故による受傷を否認した 7.乗用車で第2車線を走行中に第1車線から車線変更してきた大型貨物車に接触された36歳男子原告主張の14級9号頸椎捻挫及び右肩関節捻挫等は原告車の損傷は軽微な擦過傷のみで事故20日後の受診から本件事故による受傷を否認した 8.駐車場内で後退乗用車に衝突された88歳女子歩行者が罹患していた自賠責9級10号認知症が通常の経過よりも急速に進行・悪化した事実は認められないと本件事故による自賠責5級2号加重障害を否認した 9.外傷性頸部症候群等の傷害を負い接骨院での週5回程度で約4ヶ月間の実通院日数97日にわたる施術が必要とは認められないと初診から1週間の範囲の4日間につき本件事故との必要性及び相当性が認められる施術と認定した 10.Y乗用車を酒気帯び運転で高速道路を逆走のYが意図的な運転操作によって第1事故及び第2事故を発生させたと推認できないとYの故意を否認し、事故後停止中のY車に衝突したX乗用車に1割の過失を認定した 11.中央線のない道路のカーブ地点で転倒し滑走して停止中の対向被告乗用車に衝突した原告原付自転車は漫然と道路中央部よりも更に右側を制限速度以上で進行した注意義務違反があるとして原告車の一方的過失を認定した 12.歩車道の区別のある道路で車道左端を歩行中の原告に追突した後続Y乗用車は原告に気付かずに35.5㍍車道左端を進行したことから脇見運転等に匹敵する著しい前方不注視及び著しいハンドル操作の不適切を認め9割の過失を認定した 13.深夜車道中央付近を飲酒歩行中に前方不注視の速度超過タクシーに衝突され死亡した28歳男子の過失を25%と認定した 14.誤ってエントランスにあった消火器を倒し噴霧した消火剤が駐車中のX車両に降りかかりタオルで拭き取った際に線傷が多数生じたとして車両保険金を支払ったとする甲損保の求償金請求は線傷等が本件事故により生じたとは認められないと請求を棄却した 15.Y美容室で従業員Zによるヘッドスパの施術により12級頸部痛等を残したとする52歳主婦Xは複数の医療機関から頸部に様々な加齢性変化が指摘された等からもZの施術による受傷を否認しYの損害賠償責任も否認した

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