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  • 著者川崎景介
  • 出版社講談社
  • ISBN9784065353530
  • 発行2024年4月

花で読みとく「源氏物語」 ストーリーの鍵は、植物だった

著者が、NHK「ラジオ深夜便」にて「「源氏物語」が花に託したもの」を語りました。
◆「源氏物語」がはじめてでも楽しめる
 本書は、登場人物別に花や植物とのかかわりを紹介しています。「「源氏物語」早わかり」や「主な相関図」がついているので、「源氏物語」を読んだことがなくても、楽しめます。
◆花をよく観察していた紫式部
 「源氏物語」は、日本のみならず世界文学史上の名作で、源氏物語には約110種の植物が登場します。登場する植物の生態の記述や表現が至極正確で、しかも、各植物が物語の場面をつなぎ、人物表現や心理描写、場面転換に寄与しています。
 源氏物語と植物の関係を知ることで、ストーリーがさらに面白くなります。
◆キャラクターや物語の進行に、効果的に植物が使われる
 紫式部は、人物や巻名に植物の名をつけることで、読者のイメージをふくらませています。
 重要な女性登場人物の名前や帖名には植物がからむことが多く、現在、ありふれた植物であるアサガオは、当時は渡来したての新規な輸入植物で、朝顔の宮の楚々として清く貴い人物を示唆します。末摘花はベニバナの別名で、姫の赤鼻を意識させています。
 各場面や和歌の中にも、植物が使われます。源氏が紫の上を見初めて詠んだ、
  おもかげは身をも離れず山桜 心の限りとめて来しかど
(山桜の美しい面影が私の身から離れません。
私の心のすべてをそちらに置きとどめてきたのでしたが)
 では、古来日本人に親しまれてきた桜をヒロインになぞらえています。
 全編にちりばめられたウメ、サクラ、ベニバナ、フジ、アサガオ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、モミジなど、今も私たちが慣れ親しんでいる花や樹木が、登場人物に艶やかな彩りを添えています。四季折々の美しさを湛えた花は多くの場合、歌に詠まれて贈答され、時に風景の中で情緒たっぷりに語られ、時に人物にたとえられ、そしてそれらを模した色目の衣服が雅な人たちによってまとわれます。
 本書では、本編を彩る主要なキャラクターごとに、「源氏物語」と花や植物との関係をひも解きます。

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